つきみのいえ

主要用途:住宅
構造規模:平屋建て住宅+インナーガレージ
延べ床面積:150㎡+52㎡(45坪+16坪)

 代々受け継いできた土地に建つ住宅。周囲も同じように昔から住まわれている集落となっており、生垣や板塀など趣のある環境となっている。施主からは屋根を意識した平屋での暮らしがご要望でした。
旧宅があった南側の土地は家庭菜園と既存の庭として利用し、北側の土地に住宅を計画した。敷地が広い分、周囲との接点部分が増える為、これまであったご近所さんとの動線などはエントランスに集約することでオープンになり過ぎずそれであって立ち話などが気軽に出来るスペースを提案した。東側が接道している為、2台分のインナーガレージを配置し住居と屋根で繋いでL字形とすることで中庭感のある間取りを提案した。

旧宅は和風住宅であった為、その雰囲気を大きく変えることはせず落ち着きのある空間づくりを意識しました。漆喰、和紙、畳といった旧宅でも使用していた素材を採用しこれまで同様の空気感を生み出すよう心掛けました。

リビングの位置は旧宅があった敷地へと視線が自然と向ける位置に配置し、これまで見ていた景色が見えるよう配慮した。また新たな庭には、大谷石で覆った低い壁を配置し外構のアクセントとする事と、冬風特有の低風を拡散させる機能も併せた設計とした。

キッチンは住まいの中心に配置する事で、他の水廻りへも簡潔に行ける動線となるよう計画をした。

玄関は、なぐり加工された床材と仕上とし、大工さんが綺麗に納めた手摺と家具職人さんの腰掛ベンチと飾り棚があり、機能的でもあり玄関のデザインとしても見れる計画とした。ニッチには奥様の趣味のパッチワークの小物が飾られてある。

ガレージとエントランス

設計・監理:安齋 光二
撮影:佐々木 茂